ニコニコ・ニュースレター 2021年10月号

応援します!元気な歯!    
    ニコニコ・ニュースレター           
      うちだ歯科医院 2021/10第174号

2021年10月号です。今年も今月を入れて3ヶ月になってしまいました。ワクチンの接種は進んでいますが、まだまだ新型コロナウイルスと共存していかなければならないようです。まだまだ続くマスク生活でお口の中も心配です。歯磨きやうがいが疎かになりがちで、むし歯や歯周病が重症化してしまうケースも多く見られます。
そもそも、むし歯や歯周病とはどの様な病気でしょうか?
「痛くてズキズキする」「歯がポロポロかけていく」「歯がグラグラで噛めない」「歯ぐきが腫れたり、歯が抜けてしまう」といった症状を思い浮かべると思います。
どの様な病気でも、治療の目的は病気の原因を取り除き、再発しない様にする事です。それが叶えられた時、病気は完治したと言えます。では削って詰めたらむし歯は治ったと言えるのでしょうか?歯石を取って歯ぐきの腫れがひいたら歯周病は治ったと言えるのでしょうか?それは、大きな思い違いです。
むし歯や歯周病は、口の中にいる常在菌による慢性感染症です。常在菌とは人間の身体に存在する微生物で、多くの人に共通してみられ、普段は病気を起こしません。歯垢やプラークと呼ばれる歯についた汚れの中には多くの細菌が棲息しています。そして人間の免疫力が落ちた時や汚れの量が増えた時などに、それらの微生物がむし歯や歯周病を引き起こします。感染症が完治したという時は病原体(原因微生物)が完全にいなくなる事ですが、常在菌ですので追い出せません。抗生物質を使えばといいと思われるかもしれませんが、抗生物質で完全に駆遂できるのは非常在菌といわれる病原性微生物で、普段は病気の原因とならないむし歯菌や歯周病菌は常在菌ですので追い出せないのです。ですから、むし歯や歯周病に完治はありません
医療とは起こった病気を治療すること、長い間そう思われていました。しかし、現在は病気にならずに健康を維持・増進するための予防医療が当たり前になりつつあります。欧米の人は散髪屋や美容院に通うのと同じように歯科医院を訪れます。痛くなったからではなく、痛くならないために通うのです。2040年に日本の高齢者人口はピークを迎え、世界一の老人大国になります。2007年生まれの日本人が107歳まで生きる確率は50%だそうです。テレビやマスコミなどで予防歯科が語られるている今、私達はむし歯や歯周病は予防できる事を知りました。歯周病と全身疾患には関連があるとの報道から、私達はお口の健康は命を支えている事を知りました。お口の不健康は全身のフレイルを招き、長い寝たきり生活が始まる事を見聞きし、私達は食べる事は生きる事である事を知りました。残念ですがむし歯や歯周病に完治はありません。これからは「削る・詰める・取り戻す」治療で機能を回復したら、「防ぎ、守る」予防医療が大切です。       大人の笑顔は歯で決まる!