ニコニコ・ニュースレター 2019年06月号

応援します!元気な歯!    
    ニコニコ・ニュースレター           
      うちだ歯科医院 2019/06 第146号

令和元年の2回目のニュースレター、6月号です。異常に暑くなったかと思えば、冷え込んだりして体調管理は大丈夫でしょうか?先月は体育祭などの行事で熱中症で倒れて緊急搬送される方が多かったとニュースで報じられていました。身体が夏の高い気温に順応できていない5月なのに気温が高くなりすぎたのが原因です。水分を充分に摂り、炎天下の外出は控えめにするのが望ましいと思います。
さて、今月は歯科健診で、清水保育所と篠崎保育所へ伺います。汗だくになって園児たちにむし歯の話や歯の磨き方指導をして来ます。これからママになる方や、今、小さなお子さんのいる方、お母さんのお口の健康が低体重児出産に関係し、その子の一生の健康にも影響を及ぼす事もあるという事をご存知でしょうか?
私達の口の中には300種類を超える細菌が、歯や歯の周りに何億も存在しています。これらの細菌は、むし歯や歯周病の原因となりますが、「口の中の病気だけを引き起こす」と考えていませんか?実は「お口の中だけでなく、全身の病気に関わっている」事が多くの研究により判ってきています。歯や歯の周りに増えた何億もの細菌は、炎症を起こす物質を生みだします。そして、これらの物質あるいは一部の細菌は血管を通じて全身の各器官に広がります。血管に入って全身に広がるスピードは何と90秒だそうです!

全身に到達したこれらの物質や細菌は次の様な病気に関わっています。
1、 肺炎 私達は食物を飲み込む時には気管に蓋をし、気管や肺へ異物が入らない様な仕組みになっています。この反射が低下するお年寄りでは、気管を通って肺に入りこんだ細菌が肺炎(誤嚥性肺炎)を引き起こす事があります。
2、 血管系の病気 血液中に入り込んだ歯周病菌が血管壁に感染すると防御反応で作られたメディエーターという物質が動脈壁の硬化を引き起こします。実際、アテローム性動脈硬化症の患者さんの病巣から歯周病菌が検出されています。また歯周病菌の作用で血小板が塊となり、心冠動脈につまる事があります。
3、 心臓の病気 お口の中の細菌が血管を通って心臓の内膜に住み着き、炎症を起こす事があります。
心臓の弁に障害がある、人工弁を入れているなど、血液の流れがスムーズでない人に多く起こります。
4、 糖尿病 血液中に流れ込んだ、お口の中の細菌はTNFαという物質を作り、血液中の糖の濃度をコントロールしているホルモンであるインシュリンが血糖中の糖の濃度をコントロールする働きを阻害します。
5、 低体重児出産 低体重児出産をした女性のお口の中では歯周ポケット内に歯周病菌が多くなっていることがわかってきました。歯周病菌の成分である内毒素が免疫担当細胞を刺激し、プロスタグランディンやTNFαという物質を作り出します。これらの物質が低体重児出産の原因の一つと考えられています。
6、 アルツハイマー病 アルツハイマー病は認知症の一種で、脳の神経細胞が徐々に死に、脳の機能が失われていく病気です。発症すると、まず、少し前の出来事が思い出せなくなる。そして時間や場所が分からなくなって言葉が使えなくなる。仕事や家事など段取りが必要な行動が出来なくなり、人の顔や物を見ても判別がつかなくなる。さらに進むと食事や入浴、着替えもできなくなり寝きりになるという病気です。今年の5月の学会で、歯周病菌が作り出す酪酸がアルツハイマー病を引き起こす一因になる可能性があるという発表がありました。歯周病患者の歯周ポケット内には健康な人の10~20倍の酪酸が検出され、この酪酸が長期にわたって脳内に取り込まれればアルツハイマー病を引き起こす一因になる事は十分に考えられるというものでした。

むし歯や歯周病は、たかが口の中のトラブルで、生死に関わる病気ではないので放っておく人が多いですが、重大な別の病気につながる可能性がある事を是非、知って欲しいと思います。

大人の笑顔は歯で決まる!