ニコニコ・ニュースレター 2020年12月号

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    ニコニコ・ニュースレター           
      うちだ歯科医院 2020/12第164号

2020年12月号です。とうとう、1年前に中国で発生した新型コロナウイルスは収束することもなく、年を越えようとしています。また、経済活動を再生させるために始まったGoTo事業により人の動きが活発なったせいでしょうか、新型コロナウイルス感染の第3波、第4波も心配です。新型コロナウイルスの患者さんを受け入れた場合、その病院は通常よりも2倍、3倍の人手を割かなければなりません。その時に救急の患者さん、例えば心筋梗塞、例えば交通事故による大怪我の方が運び込まれたなら、為す術がなくなってしまい医療崩壊が始まってしまいます。そうならない為にも個人個人で出来る範囲の感染予防策を取っていく事が大切だと思います。では、様々な情報が交錯する中、どう予防していくべきか、またそれが、お口の中とどの様な関係をもっているのかなど歯科の立場からお話します。
ウィルスが人の体に感染する時は、感染者の唾や飛沫を吸い込んだり、ウィルスに触れた手で目や鼻、口を触る事で体内に入ります。そして人間の細胞の仕組みを利用して侵入し、増加します。ウィルスが細胞を乗っ取っていくと想像するといいでしょう。感染するかどうかは、ウィルスの量によりますが、ウィルスは目に見えないので量る事が出来ません。その為、感染の疑いのある方とどれくらいの間、接触していたかで推測します。濃厚接触とは、この接触時間の長い場合の事を言います。インフルエンザや新型コロナウイルスであれば、道ですれ違う程度では感染リスクはまずないでしょう。
お口の中にウィルスが入ったら、ウィルスはまず舌の上の粘膜細胞に付着します。その際にお口の中が汚れていたら、汚れの中にいる細菌が出すタンパク質分解酵素が、ウィルスの細胞への侵入を促進します。だからこそ、お口の中を日頃から清潔にしておく事は大切なのです。
ウィルスに感染してしまった場合は、まずどのようなウィルスが侵入してきたかを人間の免疫システムが捉え、抗体や補体と呼ばれる武器を使って、ウィルスが感染した細胞ごと破壊します。そうやって感染した細胞を減らしていきます。大抵の場合は、免疫によって自然に治っていきますが、基礎疾患を持っていると重症化する場合があります。例えば呼吸器系や循環器系の病気、癌になっている方などは重症化する可能性が高くなります。特に免疫機能を落とす癌の化学療法などを受けている方は感染しやすいですし、重症化しやすいです。
そして、この基礎疾患と重大な関係性があるのが歯周病です。歯周病は様々な細菌の複合感染症なのです。
歯周病の初期症状は、歯ぐきが赤くなったり、歯磨きで出血する程度で自覚はありません。しかし歯ぐきに痛みを感じる様になると歯周病はかなり進行している場合があります。
歯周病ではお口の中の汚れに溜まった歯周病菌が歯ぐきの出血した箇所から毛細血管内に入り込み、血流に乗って、体の様々な部分に炎症を引き起こしていきます。
最も大きな関係性を持つのが糖尿病です。糖尿病によって免疫機能が下がり、それによって歯周病も重症化するという相互関係があります。また歯周病菌を含めた口腔内細菌が起こすと言われている誤嚥性肺炎も要注意です。飲み込む機能が弱くなり、間違って肺の中に入った食べ物に歯周病菌などが混ざっていると肺炎を起こしてしまいます。特に病気などで入院されている方は免疫機能が衰えがちですので、誤嚥性肺炎にならない様にお口の中を清潔に保つ事が大切です。誤嚥性肺炎で亡くなられる方は年間で約4万人ですので新型コロナウイルスより怖い感染症なのかもしれません。
口はウィルスや細菌の入口です。新型コロナウイルス感染症対策として「手洗い、マスク、密を避ける」がありますが、そこに「歯磨き」や「うがい」、更には舌の表面に白っぽく付着する舌苔を取り除く「舌磨き」といった口腔ケアを加えていく事が有効です。
季節性インフルエンザも気になるこの季節こそ、丁寧なお口のケアを心がけましょう。
新型コロナウイルス、うつさない!うつされない!!