応援します!元気な歯!
ニコニコ・ニュースレター
うちだ歯科医院 2022/02第178号
2022年2月号です。オミクロン株が猛威を奮っています。感染力が強いけれども重症化リスクが少ないと思って油断していた私達への警告かもしれません。きちんとした治療薬、治療法ができるまでは気を緩めず、手洗い、マスク、三密を避けるしかありませんね。
さて、話は変わりますが、健診で小さなお子さんを連れてお見えになるお母さん達から「うちの子は嫌がって歯磨きをさせてくれないんですよ。」とよく言われます。
歯磨きを嫌がる子供さんには2つの原因があると思います。
① お口への感覚入力の不足
お子さんが生まれた時、指や手に薄い赤紫のあざが出来ていませんでしたか?
それは指しゃぶりの跡なのです。赤ちゃんはお腹の中でも動きまわり、いろいろなものを覚えようとしています。なかでもお口の感覚は鋭く、お口に当てる事によりそのものの形を確かめようとしているのです。そして、その刺激が脳の働きを活発にしていきます。
お口の機能を形成していくうえで、いろいろな感覚の中でも特に大切なのが触覚と圧覚だと言われています。こうした感覚がうまく育成されていないとお口の感覚が適正な圧を調整できずに全て痛みとして感じとってしまう事があります。具体的には、歯磨きを異常に嫌がる、偏食がひどい、食に興味がない、嘔吐反射が強い、などの形となって表れてきます。では、どうすればいいのでしょう?
歯が生える前から脱感作の意味でたくさん触れてあげましょう。少し圧をかける様にして、ゆっくりと、マッサージする様にして触ってあげて下さい。まずは手足、そして体幹。だんだんと顔やお口の周りに近づいていきます。親子のスキンシップの一つとして楽しく行うといいと思います。
赤ちゃんは指やオモチャなどを舐めたり口に入れたりして感覚入力を行いますが、それも成長するにつれ無くなってきます。そういった意味でも、歯磨きというのは口腔機能を育成する事に大事な意味を持っています。歯磨き好きな子に育てる、歯磨きが気持ちいいと感じる事は、むし歯予防以外にもお口の機能を育成するという大きな意味を持ちます。
② 痛い、怖い、不快な思いをした
次にあげる5つのポイントに注意してあげて下さい。
*歯ブラシの大きさはお子さんの口に合っていますか?
歯ブラシのヘッド部の大きさは上の前歯2本分ぐらいが基本です。商品に記載されている「学童用」「乳歯用」などに惑わされずにお子さんの口に合ったものを選びましょう。
*毛先が広がっていないか?
歯ブラシを後ろから見た時、広がった毛先が見える状態でしたら交換時です。汚れを落とす効率が悪くなってしまいます。
*余分な場所に毛先が当たっていないか?
お口の中の軟らかい場所に当たって傷つけていないでしょうか?特に上唇の裏の上唇小帯は傷つけやすいです。
*仕上げ磨きする人の爪は伸びていないでしょうか?
長い爪は唇や歯ぐきを傷つける可能性があります。またマニキュアの匂いなどもお子さんが嫌がる原因になります。
*逆さから見た顔が怖くなっていませんか?
早く寝かせなくては、お風呂に入れなくては、と一生懸命になりすぎて怖い顔になっていませんか?「下から覗く自分の顔を時々、鏡でチェックしてみましょう!」
{院長余談④}
最近、周りの人たちの舌磨き(舌苔の除去)を勧めています。朝晩、歯ブラシの後に4、5回、舌の上の汚れを落とすだけです。「3、4日に1度だったお通じが、毎日出るようになりました。」と感謝の声をいただきます。
舌の上の細菌が胃、腸と落ちていき、胃腸の不調を起こすのを防ぎます。
今日は、昨日より良い笑顔、明日はもっと良い笑顔、そういうふうに意識して、いつの間にか身も心も健康になっていくといいですね。大人の笑顔は歯で決まる!