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ニコニコ・ニュースレター
うちだ歯科医院 2022/05第181号
2022年5月号です。5月の連休、如何お過ごしでしたか?私は庭のバラの手入れや雑草と戦っていました。まん延防止策も解除され、観光地の人出のニュースも多く見受けられましたが、気を引き締めて新型コロナウイルスと付き合っていくしかありませんね。そしてロシアのウクライナへの侵攻、2日で終わるだろうと言われていたものが、もう2ヶ月以上になります。戦車の列、砲撃で瓦礫となった街並み、他国へ避難する無数の難民、泣き叫ぶ子供達、ニュースで入ってくる映像には心を痛めます。21世紀の現代に、この様な映像を目の当たりにするとは。80年前の世界大戦の時代に逆戻りしたような錯覚にさえ襲われます。早くいい形での終結を願うばかりです。
さて、今月は「鼻呼吸と口呼吸」についてお話します。
毎日意識せずに繰り返している呼吸は心身の健康と深い関係があるのをご存知でしょうか?近年、鼻を使わず常に息を吸ったり吐いたりを口でする「口呼吸」の人が増えているのが心配です。
① 無意識のうちに口が半開きになる
② 前歯が出ていたり受け口だったりする
③ 下唇がぽってりとしている
④ 唇がカサカサに乾いている
⑤ 朝起きた時に喉がヒリヒリ痛む
⑥ 鼻の穴を意識して動かす事が出来ない
上記6つのうち、一つでも当てはまるなら口呼吸の可能性があります。いつも口を開けている習慣の人は気が緩むと①の様になります。人は食べ物を飲み込む時、唇を閉じて口の中の圧力を下げますが、口呼吸だと代わりに上下の歯と舌で口の中を塞ぐので舌の圧力が常に歯に内側からかかり②の様になります。③は下唇が緊張する機会が少ないため、④、⑤は寝ている間に喉や唇が乾いた空気にさらされて乾燥する為に起こります。普段、鼻の周囲の表情筋を使っていないと、筋肉が動きにくくなり⑥の様になります。
なぜ口呼吸より鼻呼吸の方がいいのでしょう?
鼻の奥の粘膜には細かい毛が生えていて、吸い込んだ空気中のホコリや細菌などをフィルターの様に排除してくれますが、口にはその機能がない為、汚れた空気がそのまま肺に入ってしまいます。また口で息をすると喉の体温が0.1~0.5°程度下がって免疫力が落ち、風邪や喘息、花粉症などのリスクが高まります。睡眠中に口を開けていると舌根が落ち込んで気道を狭くするので睡眠時無呼吸症候群の原因にもなります。口呼吸をする人は鼻呼吸をする人よりアレルギー性鼻炎や肌荒れの症状も多く見受けられます。
欧米では3、4歳くらいまでオシャブリを使わせるので鼻呼吸の習慣がつきますが、日本では1歳前後でオシャブリを取り上げて離乳食を与える親が増えている為に口呼吸が増えているとも言われています。
また、呼吸は精神面にも影響します。腹筋を使い、息を10~15秒吐いた後に吸い込む「腹式呼吸」を5分以上続けると、脳幹のセロトニン神経が活性化して、気分を安定させる脳内物質セロトニンの分泌が増える事がわかっています。その結果、うつ病や「キレる」症状になりにくくなると言われています。意識を集中してこの「腹式呼吸」を続けていくとセロトニン神経が鍛えられセロトニン分泌量も増えていきます。
欧米の学者も注目しているヨガの効果でも呼吸法は大事だと考えられています。全身を使って深い呼吸をするのが望ましく、吸うことよりも吐く事を中心に考え、息を吐ききる練習を勧めています。吐くのは口でもいいが、吸うのは鼻から。息をしっかり吐ききれば、横隔膜や腹筋などの筋肉が強く収縮し、その反発で自動的に胸部や腹部が拡張し、深い呼吸が出来ます。また背中を丸めた様な悪い姿勢だと自然と首が前に出て顎が上がり浅い呼吸になってしまいます。胸を張って背筋を伸ばすと、呼吸が楽になって、より多くの空気を取り込むことが出来る様になっていきます。忙しい毎日、よい呼吸で心身をリラックスさせてみては如何でしょうか?
今日は、昨日より良い笑顔、 明日はもっと良い笑顔、
そういうふうに意識して、いつの間にか身も心も健康になっていくといいですね。
大人の笑顔は歯で決まる!