応援します!元気な歯!
ニコニコ・ニュースレター
うちだ歯科医院 2022/06第182号
2022年6月号です。急に暑くなってきましたが、お変わりないでしょうか?ロシアのウクライナへの侵攻、もう3ヶ月以上になります。早くいい形での終結を願うばかりです。
さて、今月は「噛む」という事についてお話します。
しっかり噛めるという事はなぜ大切なのでしょうか?
まずは食べ物を美味しく味わえる事です。
そして噛む事によって分泌される唾液が消化を助けてくれます。唾液がお口の中をきれいにするため、むし歯や歯周病の予防にもつながります。いろいろな食品を食べることで必要な栄養素がバランスよく取れます。
噛む事によって脳が活性化します。発音も良くなります。表情がいきいきしてきます。
免疫力や運動機能の低下が防げます。人と楽しく交流でき、生きる意欲が湧きます。結局、健康寿命が延びます!
逆にお口の機能が低下すると、低栄養の状態になったり、生きる意欲が低下したりして、介護が必要な状態になってしまう事があります。健康な生活を送るためには、お口の機能を維持する事がとても大切なのです。
最近、「フレイル」という言葉を耳にしたことはないでしょうか?
人間は年を取るとだんだんと体の力が弱くなっていき、病気にならないまでも手助けや介護が必要になってしまう場合があります。このように心と体の働きが弱くなってきた状態、加齢などに伴う筋力の衰え、回復力や免疫力が低下してきた状態を「フレイル(虚脱)」といいます。要介護の一歩手前の状態です。健常な状態から要介護へ移行する中間の状態に位置します。
「フレイル」のサインとしては、
① 6ヶ月間で2~3kgの体重減少があった。
② 以前に比べて歩く速度が遅くなってきた。
③ 運動をあまりしなくなった。
④ 5分前の事が思い出せない事がある。
⑤ (ここ2週間)わけもなく疲れた様な感じがする。 などがあります。
そして「フレイル」はお口の機能「噛む」という事と密接な関係があります。まずはお口の機能の低下、「オーラルフレイル」に陥らないようにする事がフレイル予防としてとても大切です。
「オーラルフレイル」のサインとしては、
① 半年前と比べて、かたいものが食べにくくなった。
② お茶や汁物でむせる事がある。
③ 滑舌が悪くなった。舌が回らなくなった。
④ お口の渇きが気になってきた。 などがあります。
「オーラルフレイル」はお口の健康に対する関心の低下や、お口の些細なトラブルから始まり、次第に食べる機能自体が低下したり、食事摂取量が低下していきます。この様にお口に関する些細な衰えが積み重なっていくと「オーラルフレイル」から全身的な「フレイル」、そして要介護状態へとドミノ倒しの様に繋がってしまいます。
しかし、「オーラルフレイル」は予防・改善が可能です。失われつつあるお口の機能を改善する事で、悪化して望まない結果につながらない様にする事が可能です。介護状態に向かっている方のQOLの改善にも大きく貢献出来ると思います。見逃されやすい症状に早めに気づき、対応していく様に心がけましょう。
今日は、昨日より良い笑顔、 明日はもっと良い笑顔、
そういうふうに意識して、いつの間にか身も心も健康になっていくといいですね。
大人の笑顔は歯で決まる!