応援します!元気な歯!
ニコニコ・ニュースレター
うちだ歯科医院 2022/12第186号
2022年12月号です。急に冷え込んできましたが、お変わりないでしょうか?風邪の季節、毎年言っていますが、ガムを噛むのがお勧めです。ガムを噛んで唾液の分泌が良くなると免疫グロブリン(IgA)という抗菌作用のある物質が出てきて風邪などのウィルスから守ってくれます。お勧めはやはりキシリトールガムで、歯磨き前に噛むようにしましょう。歯磨きする時に歯についた汚れが取れやすくなります。一週間も続けていくと歯の表面がサラサラになっていくのがわかります。
ロシアによるウクライナ侵攻、統一教会問題、国会議員の呆れる様な言い逃れ、異常な物価高と暗いニュースばかりでしたが、ワールドカップのサッカー日本代表の快進撃は私達に明るい希望を与えてくれますね。
さて今月は口内炎についてのお話です。食べたり話したりするのもつらい口内炎ですが、その原因は2通りあります。
1つは、口の中を噛んでしまったり、やけどをしたりした傷が原因の場合です。傷からしみ出す浸出液に口の中の細菌が集まってきて繁殖し炎症を起こして口内炎になるのです。
もう1つが原因不明で起こる場合です。口の中の内側の粘膜は新陳代謝を繰り返して再生していますが、疲労やストレス、栄養の偏りなどによりその働きが低下すると粘膜の表面が荒れてきます。さらに悪化すると潰瘍になり、そこに口の中の細菌が集まってきて口内炎になってしまいます。普通、口の中の細菌は唾液の働きによって
洗い流されるので炎症は起きません。しかし疲労やストレスなどは唾液の分泌量を減らしてしまうので口内炎になりやすいのです。また現在の様に長いマスク生活が続くのも、ストレスや口の中が乾燥しやすく口内炎の原因になりやすいと考えられます。
口内炎対策としてはステロイド系の塗り薬がよく処方されます。でも、あまり効き目がないと思っている方も多いのではないでしょうか?実はこの塗り薬は痛みをやわらげるのが目的で、細菌をやっつける働きはありません。傷や潰瘍で細菌が繁殖すると免疫細胞が集まってきて細菌と戦いを始めます。この戦いで傷口の組織が破壊されて炎症が起こります。これが口内炎の痛みの正体なのです。
ステロイド系の塗り薬は、免疫細胞の戦闘モードを抑え、細菌との戦いをやめさせることで組織がそれ以上破壊されないようにします。この働きによって痛みの症状を緩和させるのがこの薬の役割です。炎症の痛みがつらくて食事がとれない時などに使って体力低下を防ぐのが正しい使い方です。ステロイド系の塗り薬を使っても口内炎が治らないと思いがちなのは薬の効き方を理解していないからなのです。
口内炎を出来るだけ早く治すには傷口の細菌の繁殖をいかに抑えるかです。その為に有効なのが殺菌成分入りのうがい薬や洗口液です。これらでブクブクうがいをし、傷口にいる細菌を退治してから塗り薬を使うようにしましょう。
2週間以上たっても治らなかったり、どんどん広がっていく場合は、金属アレルギーが原因の場合、口の中の真菌(カビ)のカンジダが原因の場合、初期の口腔ガンの場合があります。
金属アレルギーが原因ならばアレルギーを起こさない素材に交換する方法があります。
カンジダが原因ならば抗真菌薬という薬を使って治療します。
初期の口腔ガンは口内炎の症状とよく似ていますので診断や治療が遅れてしまう事が多いです。口腔ガンは早期に発見できれば95%以上の確率で治ります。ところが進行すると生存率も低下し、たとえ治療できても口の機能が障害を受けてしまう事が多いです。なかなか治らなければ軽く考えずに歯科の受診をお勧めします。
まとめると、
① 口の中の傷で細菌が繁殖して口内炎になります。
② 疲労やストレスなどで唾液の量が減っても口内炎になりやすいです。
③ 塗り薬の目的は痛みの緩和です。
④ ブクブクうがいで細菌の繁殖を抑えてから、塗り薬を使うと治りが早いです。
⑤ 長引く口内炎は初期のガンの場合もあるので要注意です。
今日は、昨日より良い笑顔、 明日はもっと良い笑顔、
そういうふうに意識して、いつの間にか身も心も健康になっていくといいですね。
大人の笑顔は歯で決まる!頑張れ、サッカー日本代表!!