応援します!元気な歯!
ニコニコ・ニュースレター
うちだ歯科医院 2024/09 第207号
2024年9月号です。台風10号の被害はなかったでしょうか?天気予報で言われていた様に今までにはあり得ない動きをする台風でした。人間の地球温暖化に対する自然の警告ではないでしょうか?このままだと今世紀末には気温が4.5度上がってしまうという研究報告もあります。そんな暑さの中で過ごすなんてゾッとします。
さて、今月は歯ぐきからの出血についてお話します。
昔、流行ったキャッチコピーに「リンゴを食べると血が出ませんか?」というのがありました。当時は歯周病という病名より歯槽膿漏という病名が一般的でした。歯槽というのは歯の植わっている顎の骨の事を言います。その顎の骨から血や膿が漏れ出てきている状態を指して歯槽膿漏と呼ばれていたのです。
今では歯周病という病名が一般的になり、その原因は歯周病菌による細菌感染である事がはっきり判っています。生まれてきた赤ちゃんの口の中にはむし歯菌も歯周病菌も存在しません。周りの人たちから可愛いのでキスをされたり、直箸で食べ物を与えられたりして感染してしまうのです。これでお口の中に歯周病菌が存在するようになってしまいました。
歯が生え揃い、上手に歯ブラシが出来ないと歯周病という病名のとおり、歯の周りに病気が起こってしまいます。原因は歯と歯ぐきの境い目に残った磨き残し、そしてその中に集まって住み着いてしまう歯周病菌です。この細菌たちは空気が嫌いですので歯と歯ぐきの境い目の見えないところに隠れてしまいます。そしてゆっくりと毒素を出していきます。毒素により歯と歯ぐきの境い目に歯周ポケットという歯周病菌の巣が出来てしまいます。やがて炎症により歯周ポケット内面には潰瘍が形成されそこから出血が始まります。これが歯ぐきから血が出るという状態です。
ここからが大変です!歯周病菌にとって血液中の鉄分とタンパク質は大好物です。潰瘍面からの血液に含まれる鉄分とタンパク質を摂取した歯周病菌はそれまでとは打って変わって活性化し増殖し、一気に歯周病を進行させてしまいます。ですから「歯ぐきから血が出る」は一大事なのです!
歯周病菌の悪さは、口の中だけにとどまりません。歯ぐきの出血箇所から血液を通って全身へ悪影響を及ぼします。身体のたくさんの病気に悪さを及ぼします。歯周病と身体の病気が手と手を取り合って、お互いに悪化しあうので、歯周病菌は本当に困った存在です。
【余談ですが・・・】
「人生は歯のようなもの
充実した日々を過ごせるのを人は当たり前と思っている
毎日なんでも噛めるのを人は当たり前と思っている
けれど、ある時突然、歯も壊れ始める
人生も同じ。難しいことに出くわす
この時になってその大切さに気づく
そして、あわてて救おうと試みる
元通りにすることの難しさに、ため息をつく
抜かずに済ますには苦労の連続
まるで人生のように 」
これはフランスのシャンソン歌手のセルジオ・レジャーニの歌の一節です。
楽しいこと、
悲しいこと、
つらいこと、
様々なめぐり逢い、
そしていろいろな事のおきる人生。
それは、歯の一生についても言えるのではないでしょうか?。
最良の友を持つ事は、最良の人生を送るのに大切だと思います。
どうぞ貴方も歯を生涯を通じての友達にして下さい。
予防はやったもん勝ちです。
今日は昨日よりいい笑顔!
明日はもっといい笑顔!
大人の笑顔は歯で決まる!!