ニコニコ・ニュースレター 2025年03月号

応援します!元気な歯!              
ニコニコ・ニュースレター
 うちだ歯科医院 2025/03第213号

2025年3月号です。アメリカ合衆国大統領にトランプ氏が返り咲いて一ヶ月になります。第二次世界大戦後、世界中の民主主義国家が努力して歩み寄り築きあげてきたものを根底から壊し、引っ掻き回している様に思えてなりません。化石燃料を復活させるとも訴えていますが、世界中で起きている山火事などの天災は地球温暖化の影響だとは思わないのでしょうか?これからのトランプ政権の4年間が心配でなりません。なくなりますね。
さて、今月は先月、ご紹介した「ワンタフトブラシ」に続き「歯間ブラシ」と「デンタルフロス」について詳しく説明させていただきます。
患者さんに「歯ブラシ以外にも、お口のお掃除に何か使っていますか?」とお聞きすると「歯間ブラシ(すき間ブラシ)」や「デンタルフロス(糸ようじ)」という答えが返ってきます。でも残念なことに「時々しか使ってない。」という方が殆どです。歯間ブラシもデンタルフロスも、歯ブラシが届きにくい歯と歯の間のプラーク(歯垢)を効果的に落とすための清掃用具です。つまようじとは全く違います!
歯についている汚れ、磨き残しをプラーク(歯垢)と言います。食べ物のカスのように思われがちですが、実際はむし歯菌や歯周病菌をはじめとする微生物のかたまりです。プラーク1mgに1億個以上の微生物がいると言われています。そして、この微生物が絡み合い、共生して、悪さをしていきます。むし歯や歯周病はプラークの中に生息している細菌による感染症です。最近では、この微生物のかたまりはバイオフィルムとも呼ばれています。台所や浴室の排水溝などについたヌルヌルした、しつこい汚れを想像するといいでしょう。取り除くには、なかなか手ごわい相手です。
歯間ブラシは、歯と歯の間、ブリッジのつないでいる人工の歯の下や冠の周り、矯正装置の周りやワイヤーの内側などに有効です。
歯間ブラシは歯間の広さに合ったサイズのものを使い分けることが大切です。広い歯間に細めの歯間ブラシを使えば効率が悪いですし、狭い歯間に太めの歯間ブラシを突っ込もうとすると歯ぐきを傷つけてしまいます。毛先が両側の歯に軽く触れているな、歯ぐきがムズムズするな、と感じる位のサイズの物がいいでしょう。
歯間ブラシはゆっくり歯と歯の間に挿入して前後に動かしてプラークを落とします。はじめのうちは鏡を見ながら磨くといいでしょう。上の歯はブラシ先端部をやや下向きに、下の歯ではやや上向きに挿入するとスムースに入るし、歯ぐきを傷つけにくいです。奥歯はやりにくければ内側から挿入した方が入れやすい場合もあります。
       

デンタルフロスとは糸だけの物を言います。この糸に柄をつけた物を糸ようじと呼んでいます。
デンタルフロスは15cmくらいにに切って使います。左右の中指か人差し指に糸の両端を2~3回巻き付けて、両手の人差し指と親指で糸をしっかりつかんで1~2cmにして操作します。ゆっくり小さく動かしながら歯と歯の間に糸を入れて歯の面に沿わせて歯ぐきの少し中まで入れていきます。あわてて入れると歯ぐきを傷つけるので注意しましょう。そこから歯の周囲にに巻きつけるようにして歯の側面をこすりながら2、3回上下させます。隣り合った歯を順々に清掃すると効率的です。次の歯間部に移るときは指に巻いた糸を少しずらして糸の新しい部分を使いましょう。

「歯ブラシと歯間ブラシやフロスはどちらが先か?」とよく聞かれます。
私は「歯ブラシを使う前に使う事をお勧めします。歯と歯の間にはこんなにも汚れが残っているのか。と自覚出来ますし、また隅々の汚れを掻き出してから全体をきれいにした方が効果的ですよ。」とお答えしています。部屋の掃除をする時は部屋の隅の埃を取ってから全体を掃除すると思います。それと同じ考え方です。
日本人の約96%が毎日歯を磨いています。なのに何故、日本人のむし歯・歯周病は減らないのでしょうか?
それは歯ブラシのみのブラッシングが大半だからです。磨きやすいところはきれいにできても、磨きにくいところは汚れが残ってしまっているからです。特に中高年になってくると口の中の環境は複雑で、冠やブリッジ、部分入れ歯やインプラント、歯並びの不正や歯ぐき下がりなどで、よりプラークコントロールが難しい状態になっています。歯ブラシ1本で時間と労力をかけて磨いても、磨き残しから、むし歯・歯周病に罹患してしまうだけでなく、歯が摩耗して知覚過敏を起こす原因にもなってしまうこともあります。
歯と歯の間の清掃には毎回、歯間ブラシやデンタルフロスを使用する心掛けてください。
習慣は美しい織物を織るのと同じです。毎日のお口の清掃の習慣が、年をとってもよく噛める、会話が楽しいといった事につながっていきます。
今日は昨日よりいい笑顔。
明日はもっといい笑顔。
大人の笑顔は歯で決まる!