応援します!元気な歯!
ニコニコ・ニュースレター
うちだ歯科医院 2025/04第214号
2025年4月号です。ようやく春めいてきましたね。今年は寒暖の差が激しいので遅くまで桜が楽しめるとの事です。私は去年からトマト作りに挑戦しています。ミニトマトですが毎日、実がなっていくのが楽しくて、また朝採ったばかりのトマトが美味しくて、今年も栽培しようと思っています。今月、植えると7月には収穫出来るそうですので楽しみです。
さて最近、フレイルという言葉を耳にする事はありませんか?
フレイルとは、年をとり、心身の活力が衰え、弱々しくなった状態の事を言います。この時期は健康と介護が必要な状態の中間の時期です。肉体的に些細な衰えを感じるが、普段の生活ではそこまで困らず介護も必要ではない。そうした微妙な長い、長い中間の時期です。ですが、頑張れば大なり小なり様々な機能を戻せる可逆性もあると言われています。ただし、戻せるかどうかは自分次第です。「よっしゃ!」という気持ちにならないと何も起こりません。
フレイル予防には運動、食と栄養、社会参加が大切です。運動を続ける事は筋肉が衰えていくサルコペニアの予防に大切です。高齢期に2週間、寝たきりの状態でいると7年分の筋肉を失うと言われています。筋肉は使わなければ使えなくなってしまうのです。両手の親指と人差し指で輪っかを作り、ふくらはぎを囲む「指輪っかテスト」というものがあります。囲めない人に比べて、ちょうど囲める人のサルコペニアになるリスクは2.4倍、隙間が出来る人は6.6倍、死亡率も3.2倍になるという調査結果が出ています。運動を続ける事が大事な理由がここにあります。
そして、口まわりの些細な機能の衰えが体の衰えに繋がる事をオーラルフレイルと言います。
それではオーラルフレイルのテストです。
① 残っている歯が20本未満である
② 噛む力が弱くなった
③ 舌の力が弱くなった
④ 滑舌が悪くなった
⑤ 硬い食べ物が食べづらい
⑥ むせる事が増えた
如何ですか?3つ以上あったらオーラルフレイルかもしれません。
人はどんな時に生きがいを感じるのでしょう。家族とのだんらんや食事、雑談、美味しい物を食べている時などに口が関わっています。しゃべったり、食べたり、人の生活には必ず口の健康がついてきます。
歯を失う代表的な原因はむし歯や歯周病などの細菌感染です。これらは、歯科治療の技術の進歩や予防の概念の普及により、ある程度はコントロールできる様になってきました。しかし、残った歯を健康で機能できる状態に保つには、プラスアルファが必要です。年齢を重ねても口の機能を維持する為には、しっかり呼吸し、話をし、噛んで、飲み込む。そして表情を作って、唾液を出し、美味しいものを美味しいと感じる事が大切です。口の機能も使わなければ衰えます。鼻からチューブで栄養を摂る入院患者でも、チューブが取れて自分で食事が出来る様になると口の中は劇的にきれいになります。逆に口から食べていないと、機能が衰え、唾液も減るので口の中が汚れやすくなります。
口の機能が低下したらどんな事が起きるのでしょうか?
噛む力が衰えていくと、肉、魚、サキイカ、人参といった噛みごたえのある食べ物から、パン、バナナの様な軟らかい食べ物を選ぶようになっていきます。噛まなくても済む軟らかい食事に偏ると、噛む力もどんどん衰えていきます。そして食事のバリエーションも限られ、炭水化物や糖類が多くなり、タンパク質の摂取量が減り、低栄養状態になってしまうのです。これが口の機能が低下して起こる「負のスパイラル」です。口の機能が低下しても、とりあえず生活の中で調整していけるので本人に自覚がないのが怖いところです。
そこで口の機能を鍛えるトレーニングです。
「パパパパパ・・・」「タタタタタ・・・」「カカカカカ・・・」とそれぞれ10回繰り返して発音してみて下さい。
「パ」は唇の筋力を高め、負担なく飲み込める様に、「タ」は舌が上顎につく事で食べ物を喉に送りやすくなる様に、「カ」は舌の奥の動きを向上させむせる事の予防に繋がります。
面倒な人は「パンダのタカラモノ」と、舌や唇を使っている事を意識しながら、言うのもいいでしょう。むせや食べ物の変化に「年のせいだから」と済ませるのではなく、口の機能の低下に気づいて、口の機能を強化するチャンスとするといいと思います。
今日は昨日よりいい笑顔。
明日はもっといい笑顔。
大人の笑顔は歯で決まる!