応援します!元気な歯!
ニコニコ・ニュースレター
うちだ歯科医院 2025/05第215号
2025年5月号です。だんだんポカポカとした陽気になってきましたね。この季節になると活躍するのがペットボトル飲料です。なかでもダイエット志向もあるのでしょうか、麦茶、ウーロン茶、緑茶などがよく売れているようです。お茶をペットボトルに入れて売り出したのは伊藤園で1990年(平成2年)の事だそうです。最初は社内でも「お茶なんか売れるわけがない。」と期待されてなかったそうですが、あっという間に人気商品になり、他のメーカーも追随していったそうです。ペットボトルの飲み物は手軽で便利ですよね。でも、ここで注意しておいて頂きたいことがあります!戸外で口のみした場合は出来るだけ1本飲み切るか、余りは捨ててしまいましょう。車の中に置いて少しずつ飲むのもやめましょう。屋内でも口のみした飲料は冷蔵庫に入れて1日以内に飲み切って下さい。その訳は唾液に混じってお口の中の細菌が逆流し、ペットボトル内で繫殖してしまっているからです。これからの季節、特に暑い車内などにペットボトルを放置しないように注意して下さい。
という事で、今月は唾液のお話をしましょう。
口臭と歯周病は誰にとっても悩ましい問題ですよね。どちらも、お口の中に繁殖する細菌が原因です。歯磨きによるケアはもちろん大切ですが、実は唾液の力がとっても大切なんです。唾液でお口の中を潤しておけば嫌な匂いや歯周病を防ぐ事ができます。
朝、寝起きのお口は、誰でも口臭が強いものです。それは睡眠中は唾液の分泌量が減って、お口の中が乾燥するからです。口臭の原因は、お口の中の汚れを細菌が分解する時に発生するガスです。お口の中の汚れを取り除き、細菌の繁殖を抑える働きをしてくれるのが唾液なんです。唾液には様々な成分が含まれ、お口の中から私たちの健康を守ってくれているのです。唾液は、いわばお口の中の汚れを洗い流すシャワーです。
そして唾液が減ると、口が渇く、食事がしづらくなる、飲み込みにくくなる、お口の中の粘膜が傷つきやすくなる、むし歯・歯周病・口臭がひどくなる、消化機能が低下する、活性酸素が貯まりやすくなってしまいます。
唾液の役割は、
① 食べ物の消化を助ける・・・唾液に含まれる消化酵素が、脂質、デンプン、糖の分解を助ける。
② 飲み込みやすくする・・・噛みながら食物と絡み合い、まとまる事で、飲み込みやすくする。
③ お口の中の汚れを取り除く・・・歯や舌の表面についた汚れを洗い流し、細菌の繁殖を防ぐ。
④ 活性酸素を無毒化する・・・老化や病気の原因となる活性酸素を分解し、老化防止に貢献する。
⑤ お口の中を保護する・・・舌やお口の中の粘膜を潤いで覆い、お口の中が傷つくのを防ぐ。などです。
また最近、唾液が出にくくなるドライマウス(口腔乾燥症)という病気で困られている方が増えています。女性や高齢者に多く、高齢化と共に増加している病気でもあります。前述した様に、唾液には食べ物を消化したり、口の中を殺菌消毒したり、老化を防ぐ大事な酵素が含まれています。ドライマウスになると、口が渇いて話がしにくい、食事が飲み込みにくいなどの症状を感じます。寝ている時は唾液が減るため、口の渇きで夜、目が覚めてしまう事もあります。さらに舌の痛みやひび割れ、味覚障害、口内炎や口角炎などを引き起こしたり、むし歯や口臭をひどくする事もあります。原因はいろいろありますが、そのひとつがシェーグレン症候群という自己免疫疾患の一種で唾液腺や涙腺が破壊され分泌が衰えるものです。他には糖尿病や薬の副作用、放射線治療、ストレス、口呼吸、加齢などです。特に加齢による口の機能低下があると唾液量が減少し、ドライマウスになりやすいと言われています。残念ながら根本的な治療方法は少なく、対症療法が中心となっていて、口の渇きをやわらげる為の口腔保湿剤の使用や唾液を出やすくさせる唾液腺マッサージの指導が現状です
加齢による老化は、いわば「予定どおりの変化」。それを早めるか、遅らせるかは、あなた自身にかかっています。
今日は昨日よりいい笑顔。明日はもっといい笑顔。
大人の笑顔は歯で決まる!