ニコニコ・ニュースレター 2020年03月号

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    ニコニコ・ニュースレター           
      うちだ歯科医院 2020/03 第155号

令和2年3月号です。新型コロナウィルス、あっという間に世界中に広まってきました。毎日、毎日、新型コロナウィルスのニュースばかりで憂鬱な気持ちになります。WHO(世界保健機関)も2月29日の時点で世界的な危険性の評価を「高い」から「非常に高い」に引き上げました。危険性の評価は「低い」から「非常に高い」の4段階に分かれていて「非常に高い」は最も危険だとする評価です。
WHOの専門家チームが中国で感染が確認された5万5924人のデーターについての分析が発表されました。
感染者からみられた症状として、多い順に ①発熱 ②咳 ③倦怠感 ④痰 ⑤息切れ ⑥のどの痛み ⑦頭痛
だそうです。感染すると平均で5~6日後に症状が出るとしています。感染者のおよそ80%は症状が比較的軽く、肺炎の症状がみられない場合もあったという事です。重症や死亡のリスクが高いのは60歳以上の人、高血圧や糖尿病、それに、循環器や慢性の呼吸器の病気、癌などの持病のある人だという事です。逆に子供の感染例は少なく、症状も比較的軽いという事で、重症化する人はごくわずかだとしています。
致死率は5万5924人の感染者のうち2114人で、全体の3.8%ですが、高齢になるほど、持病があるほど高くなっています。この新型ウィルスの困った事は、感染しても症状の見られない「無症状感染者」の存在です。症状が見られない「無症状感染者」が気づかないままウィルスを拡散している恐れがあるのです。これは統計データーの分析からも指摘されています。他の感染症と違うのが「発病する前に、潜伏期間の途中で、2次感染、他の人に感染させてしまっている」という事です。以前のSARSコロナウィルスの時は、殆どの感染者が重症化したので感染者を見つける事が出来、封じ込める事ができたのですが、この新型ウィルスに関しては感染の連鎖が見えない、見えないところで進んでいるという事が怖いところです。
人類にとって未知のウィルスは、ほとんどの人は免疫を持っていませんので容易に人から人へ感染して広がり、急速な世界的大流行(パンデミック)を起こす危険性があると言われています。過去のスペイン風邪(1918~1919)では世界の人口の25~30%が罹患し4000万人が死亡、日本でも2300万人が感染し39万人が死亡したと記録されています。現代は当時と比べ、人口の増加や都市への人口集中、飛行機などの高速大量交通機関の発達などから短期間に地球全体にまん延してしまう事が懸念されます。
では普通の風邪やインフルエンザとはどこが違うのでしょうか?
普通の風邪の症状は、のどの痛み、鼻水、くしゃみや咳などが中心で全身症状はあまりみられません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化する事はほとんどありません。
毎年、冬を中心に流行するインフルエンザの場合は38゜C以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が強く、あわせて普通の風邪と同様の、のどの痛み、鼻汁などの症状もみられます。さらに気管支炎、肺炎、小児では中耳炎、熱性けいれんなどを併発し重症化する事があるのがインフルエンザの特徴です。
新型インフルエンザの症状としては発熱、咳など人の一般的なインフルエンザと同様の症状に加え下痢などが認められています。また致死率は極めて高く、肺炎が主な死因となっています。
インフルエンザは感染した人の咳、くしゃみ、つばなどの飛沫とともに放出されたウィルスを吸入する事によって感染します。そのため外出後の手洗いとうがい、マスクの着用、人混みや繁華街への外出を控える事が重要です。また十分に休養をとり、体力や抵抗力を高め、日頃からバランスよく栄養をとる事も大切です。

まとめです!
新型コロナウィルスの特徴
発熱やのどの痛み、咳が一週間前後続くことが多い
強いだるさを訴える人が多い
くしゃみや咳などによる飛沫感染や接触感染によりうつると言われている
高齢者や基礎疾患のある人は特に重症化しやすく、死亡例も確認されているので注意が必要