ニコニコ・ニュースレター 2023年10月号

応援します!元気な歯!              
ニコニコ・ニュースレター          
         うちだ歯科医院 2023/10第196号

2023年10月号です。やっと秋めいてきましたね。杭州アジアスポーツ大会も大詰めを迎えて盛り上がってきています。スポーツの国際大会は観戦していて面白いですね。歯科医の視点で見るとトップアスリートの歯のきれいな事、歯並びのしっかりしている事がよく分かります。一般人の何倍もの力を受け止めているのでよくケアをしているのが分かります。
あるテレビの番組で欧米人のコメンテーターが、「歯は社交の窓口、欧米人はビジネスでも歯並びの美しさや口の衛生をとても気にしますが、日本人は国際的に活躍していても、なぜか口腔への意識は遅れているように思います。」と発言していました。
人の歯は上下各14本、28本ありますが、歯を失う原因の第1位は歯周病で48%という高い割合です。
調査では日本人の30歳以上の8割が罹患しており、この様な高い罹患率の病気は歯周病だけです。歯周病とは、歯周病菌によって歯ぐきの下にある骨が溶けてしまい、やがて歯を支えられなくなり、歯が抜け落ちてしまう病気です。そしてこの病気の恐ろしいのは、いろいろな全身疾患、特に主な死因といわれる癌、心疾患、肺炎、脳血管疾患の原因となる動脈硬化、に歯周病が関係しているという事です。「人は血管と共に老いる」と言われますが、血管が老いると血液の流れが悪くなり、栄養や酸素が十分に行き渡らない事で、細胞の機能が低下してしまいます。この血管の寿命を短くしているのが歯周病菌です。歯周病菌が歯ぐきの毛細血管から血管へ流れ込み、動脈の内側へ入り込むことで動脈硬化を引き起こし、全身疾患の原因となってしまいます。もう、たかが口の病気と言っていられないのです!
歯周病の症状としては、主に歯ぐきの色が赤い、歯と歯の間に隙間ができる、歯磨きをすると出血する、冷たい物が歯にしみる、歯が長くなった気がする、口臭がする、膿が出るなどですが、一つでもあれば歯周病の疑いがあります。
原因は食事の後の食べかすです。ここに細菌が付着して歯垢(プラーク)ができ、さらに唾液中のカルシウムやリンと合わさる事で骨を溶かす状態となります。歯科医院では、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットと呼ばれる溝の深さの測定で歯周病を判定します。深くなるほど深刻です。
予防の第1は、食後の歯磨きを丹念にして、食べかすを残さず歯垢(プラーク)を作らないようにする事です。第2は食生活、つまり生活習慣の見直しです。一番には糖分の摂り過ぎがあります。糖分を摂取した30分後に行なった血液検査では白血球数が低下する事がわかっており、つまり免疫力が弱まる事につながります。日頃から食事や間食の内容に気を配るようにするといいでしょう。また喫煙者は吸わない人の5~8倍、歯周病のなるというデーターも出ています。
40~50代は中程度~重度の歯周病が増加する年代です。歯や歯茎の状態は悪くなってから気付く人が多いのですが、それでは遅い場合が大半です。ですから予防ケアが大切です。自分の口の中がどうなっているかきちんと把握したうえで、セルフケアと歯科医院での専門的なケアの二つが必要です。セルフケアも自己流でなく、きちんとした指導を受けてから続けることが大切です。小学校時代に習ったままの自己流の磨き方になっていないでしょうか?ブラッシングの基本は歯と歯ぐきの境目に歯ブラシをあてる事、小刻みに動かす事、軽い力で磨く事の3つです。また、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシの併用もお勧めします。自分の口の中の状態にあった清掃用具を知りましょう。どうせ磨くのなら効率よくブラッシングしましょう。「デンタルフロスや歯間ブラシは、うまく使いこなせなかったから途中でやめてしまった」「時々、使っている」「知っているけどたまにしか使ってない」という40~50代が多いそうですが、専門的なアドバイスを受け、自分に合ったツールを選び、コツをつかんで、毎日、毎回、続けましょう。
歯ぐきの症状が改善すると全身の血管のしなやかさも回復して健康寿命も延びていきます。自分の歯で美味しい物を食べられるのは生きがいにも通じます。歯がいかに大きく健康に関わっているかを知っていただきたいと思います。
毎日の習慣が10年後の笑顔を作ります。
予防はやったもん勝ちです。
今日は昨日よりいい笑顔!明日はもっといい笑顔!大人の笑顔は歯で決まる!!