ニコニコ・ニュースレター 2023年06月号

応援します!元気な歯!              
ニコニコ・ニュースレター          
         うちだ歯科医院 2023/06第192号

2023年6月号です。急に暑くなってきましたがお変わりないでしょうか?台風2号の発生や線状降水帯など気候の異常変動も心配です。今年はエルニーニョ現象で猛暑や豪雨も要注意だそうです。ロシアによるウクライナ侵攻による爆撃なども地球の温暖化に関係しているそうです。早く無意味な戦争が終わることを祈るばかりです。
さて、今月も引き続き、お口のお掃除のお話です。
お口のお掃除の1丁目1番地、「歯を磨く」という事を未だに勘違いされている人が多くいるようです。
丁寧に磨くという事を、歯磨き剤をたっぷりつけて、時間をかけて、力強く磨いて、お口の中に泡が出ていれば綺麗になったと勘違いされていませんか?
いろいろな広告やテレビのコマーシャルで謳われている歯磨き剤に含まれている成分の効果で安心していませんか?それでも歯磨き剤の成分の効果に期待するのであれば、歯磨きした後、軽く1回ゆすぐだけにしましょう。何度もゆすぐとせっかくの薬効が洗い流されてしまいます。
むし歯予防・歯周病予防=歯磨きというイメージがあると思いますが、ちょっと考えてみましょう。
むし歯菌や歯周病菌の大きさは歯ブラシの毛先よりもはるかに小さいという事をご存知でしょうか?
詳しく話しますと、歯のくぼみにある溝の直径は約20μm、小さな穴だと5μmで、この中に約1μm(0.001mm)の細菌が多数棲息しています。しかし、歯ブラシの毛先1本の直径は200μm(0.2mm)ですから、歯ブラシでむし歯菌・歯周病菌を除去する事は出来ません。極細毛といわれるものでも約20μmです。さらに、歯と歯の間や、歯周ポケット内なども同様に磨ききれません。ですから、歯磨きだけでむし歯や歯周病を予防しようとしても限界があるのです。
では、むし歯や歯周病予防はどうすればいいのでしょうか?
大切なことは歯垢(プラーク)の形成自体を抑える事です。歯垢(プラーク)は食べかすとは違います。歯垢(プラーク)はむし歯菌・歯周病菌の集合住宅です。歯垢(プラーク)1g中には300~400種類の細菌が棲息しています。そして歯垢は、ねばつきがあるので歯にくっつきやすいのですが、逆に歯からは取れにくいといった特徴があります。ですから歯垢を除去するには機械的に除去するしかありません。擦って落とすしかありません。殺菌効果を謳ったうがい薬も歯垢を機械的に除去してからでないと効果が得られません。
また糖質の摂取回数を減らし、代用糖を利用するのもいいでしょう。食間や粘着性の甘味飲食物の摂取をコントロールする事も必要です。
どうしても付着してしまう歯垢(プラーク)は出来るだけ除去する事が必要です。
そのためには家庭で行う清掃には歯ブラシ以外にも歯間ブラシ、デンタルフロス、ワンタフトブラシなど自分の口の中にあったものを選び、使えるようになりましょう。
歯科医院で行なう専門家による清掃は自分の磨きにくいところに付着した歯垢や歯垢が石灰化した歯石を除去してもらう為に行います。
そして除去しきれなかった歯垢(プラーク)のむし歯の病原性を低めるためには、フッ化物や抗菌剤などが配合された歯磨き剤や洗口剤を利用しましょう。
歯の清掃には限界がありますし、3大栄養素の一つである糖質を摂取しないわけにはいきません。またフッ化物を応用しても100%むし歯を予防できるわけでもありませんから、
この3つ、①歯垢が形成されないようにする、②歯垢の除去、③歯垢の病原性を低めるを上手に組み合わせていくといいでしょう。

予防は「やったもん勝ち」です。
今日は昨日よりいい笑顔。明日はもっといい笑顔。
大人の笑顔は歯で決まる!